CONCEPT01テープ起こしとは「伝言ゲーム」である
「作文」と「テープ起こし」、どちらも文字を記述していく作業ですが、決定的に違う部分があります。それは、話を考える人と書く人が同じか違うかです。
「作文」は話を考える人と書く人が同じ。ですから、何が言いたいかわからないということは基本的にありません。難しい言葉は使わなければいい。
しかし、「テープ起こし」は話を考える人と書く人が異なります。話す人が話す内容を考え、それを声に出し、その声を書く人が聞いて文字にする。(話す人の)頭→口→音→耳→(書く人の)頭→手と情報が伝わっているのです。
ですから、話す人が頭で思ったことをうまく口にできなかったり、雑音で音が正しく耳に入らなかったり、言葉が難し過ぎて書く人がその言葉を知らなければ、そこで伝言ゲームは失敗です。テープ起こしのミスはそういうところで起こります。
テープ起こしとは、そんな伝言ゲームを一言ずつミスなく紡いでやっと完成する仕事なのです。